haiku(2012-03-25)から転載

seijotcp.hatenablog.com

たぶん上杉氏は、マチガイだとわかっていて、あるいは、ねつ造だという自覚を持ちながら書いてるんじゃないと思う。何がまぎれのない事実なのか、というところの認識がすごく"ゆるゆる"なだけなんだと思う。で、「デマじゃん」と指摘されても「それはおまえらが馬鹿だからわからないだけだ」ってけっこう本気で思ってるんじゃないか。根拠となるデータについて聞くと「誰経由の情報」と答えるのは、はぐらかしてるんじゃなくて、データの正しさがそれで保証されていると本気で思ってるんだと思う。で、呪術的思考で物事考えてるから、自分の持ってる先入観(マスコミは真実を伝えない)から離れることがなくて、それに合致するような情報だけを拾ってきては、自説が補強されたと思ってる。しかも、その先入観を共有する人が実際に少なからずいるので、そういう人たちからは支持される(誰でも多かれ少なかれ呪術的思考をしてるからね)。で、彼はそれが大好きでやめられないみたいに見える。

上杉氏の場合はもうすっかり大御所なので、しょうがないかとも思うけど、同じ構図がマスメディアにも存在する、とうことを認識できたのは、今回の原発事故がもたらした数少ない利益のひとつだと思う。環境ホルモンに関する報道を例にここら辺の事情を詳しく書いたもの→

http://www.dcns.ne.jp/~t-oku/badnews.pdf

この文章では予防報道じゃなくて警鐘報道という言葉になってるけど、意味するところは同じだと思う。予防報道はマスコミの使命だと当事者は思ってるんだろうけれど、きっちりと事実にもとづかない報道は有害なだけ。変な使命感があるだけに、先入観にとらわれて事実を見極めるところがおろそかになりがちなんじゃないかと思う。

これは予防原則にもあてはまるよね。なんでも安全側に対策すれば良いってもんじゃない。わかってること/わからないことの境界をできるだけ明瞭にした上で、きっちりと事実にもとづいてやるものであって、安心できるところまで安全側に予防するのが良策なのかどうかは、放射線防護だけでなく何にしてもALARAの原則を当てはめて判断するべきなんじゃないか。てか、そんなの当たり前か。